2025/11/25 12:15
9月のジャーナル「秋冬新作エメラルドと手仕事の物語」で、NEU & TIM初のハイエンド・ジュエリーの、職人との取り組み過程をついてご紹介しました。
今回はエメラルドとアクアマリン、ダイヤモンドで新作を作成しました。
私はエメラルドに思い入れがあり、宝石ことば「幸運」「夫婦愛」のエメラルドジュエリーをNEU & TIM のお客様のためにつくりたい、と強く思っていました。そしてアクアマリンは夏をイメージする方もいるかと思いますが、ダイヤモンドとあわせることで澄んだ冬の光をテーマに選びました。

原型制作はCADを使わず、すべて手作業。この減少しつつある制作方法と職人の高度な技術を、NEU & TIMのハイエンドジュエリーに残したいとの思いからです。
新作「The Three Graces」の制作は困難に何度もぶつかりました。
3本のリングで構成し、同時並行ですすめていくことが、想像以上に難しかったです。
この3つの異なるデザインのリングが、ピタッとバランスよく重なるように造形することは
思って以上に緻密さが必要でした。

初めに取り組んだ"Beauty" リングは、花が丁度開花したところをイメージしました。
ダイヤモンドを花びらの構造ように段々と高低差をつけました。
このバランスが少しずれるとすぐ開ききった花のようになるため、微妙な調整が何度も必要でした。

次に取り組んだ"Creativity" リングは、扇のように広がるデザイン。15ピースの2種類のダイヤモンドが並びます。
ストレートラインなら、単品制作なら、はるかに容易だったかもしれません。
セットリングでVラインに近い形でダイヤモンドを並べることで生まれる、セットリングが当初のプラン。
実現するのにとても時間がかかりましたが
複雑で手の込んだ工程を職人が考案し、ようやく完成がみえました。
最後に取り組んだ"Charm" リングは、U字型でダイヤが半周留めてあります。
"Beauty" リングとの重ねづけはもちろん、一粒真珠リングとの重ねづけしたバランスも、考慮して形づくりました。

高度な技術と高品質のジュエリーは、一見したデザインだけでなく
爪の形、爪の向き、爪どめはもちろん
アームの形状と着用感、耐久性に至るまでジュエラーのこだわりがつまってます。
そのようにして完成したジュエリーには
特別な凛とした佇まいが感じられます。
高度な技法や宝石を用いた、本当に上質なジュエリーをお届けすることを、私達は大切にしています。
"Creativity" リングは、これまでで一番大変でしたが、その苦労を凌駕する逸品に仕上がりました。

